集客しようする場合、必然的にコストが発生します。そこで、今回は「本格的にネット集客を始めるには、どの位のコストが掛かるか?」ということについて書いてみることにします。
ネット集客で重要なポイントは?
まず前段として、ネット集客を行う上で重要なポイントについて考えてみましょう。
ネット集客を行う際の方法ですが、ホームページを作り、お問い合わせフォームからお問い合わせをもらって集客につなげていく、というのが最もポピュラーです。
このホームページを使ったネット集客ですが、集客を左右する重要なポイントは大きく2つあります。
・サイトアクセス
・サイトUI(ユーザーインターフェイス)
参考までに、一般的なホームページにおけるお問い合わせ率(CV率:コンバージョン率)の標準値は、サイトアクセスの1%前後です。ここで言うサイトアクセスとはサイトへ訪問した人が見てくれたページ数(PV数:ページビュー数)を指します。
サイトUIが理に適っていない場合、このお問い合わせ率が低下し、集客に悪影響を与えますが、サイトUIによる影響はサイトアクセスに比べると小さく、ホームページから集客できない理由のほとんどは「サイトアクセス数の不足」によるものです。
ということで、ネット集客で成功するには、サイトアクセスをいかに稼ぐかが大きな鍵になります。
一般的なホームページのアクセス数は?
では、一般的なホームページのアクセス数はどのくらいなのでしょうか?
実は、サイトのアクセス数はページ数と比例する傾向があります。ページ数が多ければ多いほどサイトのアクセス数は増えるのですが、一般的な会社のホームページ(コーポレートサイト)の場合だと、
6ページくらいのホームページだと月60人の訪問
20〜30ページくらいのホームページだと月500人の訪問
が、アクセス数の目安となります。
月60人前後の訪問のアクセスがあるホームページだと、平均的には3〜4ヶ月に一度ホームページからお問い合わせがあり、1年に1件成約するかどうかといった水準で、コーポレートサイトで一番多いのが、実はこの状態だったりします。
滅多にお問い合わせが来ないので、ホームページからのお問い合わせ対応も適当になってしまいがちで、さらに集客から遠ざかってしまいます。この状態のホームページは、集客用というよりも名刺替わりに置いていると考えた方が良いでしょう。
これに対して、月500人前後の訪問者がいるホームページは、ある程度ネット集客ができかけている状態で、週に1〜2件のお問い合わせがあり、月に1件前後ホームページ経由で成約していきます。
ネット集客を本格的にやっていくために必要なアクセス数は?
だいぶ本題に近くなってきました。本格的にネット集客を行なっていく場合、どのくらいのアクセス数が必要なのでしょうか?
過去様々なコーポレートサイト見てきた感覚では、ほぼ毎日お問い合わせがあり、週に1件程度ホームページ経由で成約するような水準であれば、月1500人くらいのサイト訪問者(アクセス)が必要と言えるでしょう。
ただ、月1500人のアクセスという数字は、集客したい数から見た時の必要アクセス数を弾いただけで、これだけのアクセス数を持つホームページは20社に1社あるかないか、といった難易度の高いレベルだということを頭に置いておきましょう。
ネット集客を成功させるためにはどうすればいい?
では、月1500人のアクセスを生むホームページを作る方法について考えてみましょう。大まかには次の3つの方法が考えられます。
- ホームページのページ数を150ページに増やす。
- 不足するアクセス分を広告で買う。
- 別サイト(ブログやメディアサイトなど)を作ってアクセスを集め、そこから不足するアクセス分を引っ張っていく。
これらの方法ができれば、月1500人のアクセスを生み、ホームページを使った本格的なネット集客になるのですが、ただ、いくつか問題点はあります。
まず、1点目の「ホームページのページ数を150ページに増やす」ことについては、商品やサービスが相当多くないと、これだけのページ数に増やすことは非常に難しいと思われます。
次に、2点目の「不足するアクセス分を広告で買う」については、リスティング広告(PPC広告)が代表例になりますが、1人連れてくる広告単価を200円と仮定すると、集客期間中、常に毎月20万円が掛かることになる訳で、コスト負担は重くのしかかってきます。
本格的なネット集客をするのであれば、できれば、広告のような継続費用は避けたいところです。そうなると、残るのは3点目の「別サイト(ブログやメディアサイトなど)を作ってアクセスを集め、そこから不足するアクセス分を引っ張っていく」という方法になります。この方法については、次章で説明します。
外部サイト(ブログやメディアサイト)を作る方法
具体的には、多ページ構成のブログやメディアサイトを別に作り、そこにアクセスを生み出し、ブログやメディアサイト中に貼ったバナー等を経由して会社ホームページ(コーポレーションサイト)に供給するものです。
本来、ホームページのページ数を増やすことができれば良いのですが、商品やサービスの種類が多い場合でもない限り、ページ数には限界があるため、次善の策としてブログやメディアサイトの記事でページ数を増やします。
この方法だと、商品やサービスの数などに制約を受けず、ある程度自由に(といっても事業内容と関連性がない、もしくは薄いものはNG)ページ数を増やせる利点がありますが、「外部サイト(ブログやメディアサイト) → 会社ホームページ」といった具合にアクセスを移すことになるので、ページ数と稼げるアクセス数の観点から見た効率性は大きく落ちてしまいます。
もう少し具体的に見てみましょう。
例えば、外部サイト内のバナーをクリックして会社ホームページへ移動する場合、通常、外部サイト内バナーのクリック率はアクセス数(PV数:ページビュー数)の1%前後になります。
つまり、月1000人を会社ホームページへ連れていくのであれば、アクセス数が月10万(PV:ページビュー)の外部サイトが必要ということになるわけです。
そして、月10万PVのアクセスを生み出すブログやメディアサイトを作るために必要なページ数は、過去の例から見て、平均すると 1300〜1400ページという膨大な量になってきます。
本格的にネット集客を始めるには、どの位のコストが必要?
やっと本題です。作業を外注したとして、どの位のコストが掛かるのか、上の3つの場合別に見てみると、
「ホームページのページ数を150ページに増やす」場合
仮にホームページのページ制作単価を 15000円とすると、
150ページ × 15000円 = 2,250,000円「不足するアクセス分を広告で買う」場合
リスティング広告を使用し、仮にクリック単価 200円だとすると、1年間に必要となる広告費は、
1000クリック × 200円 × 12ヶ月 = 2,400,000円「別サイトを作ってアクセスを連れていく」場合
ブログやメディアサイトの構築・コンテンツ制作を外注し、仮にページ制作単価を 2500円とすると、
サイト構築 20万円 + 1400ページ × 2500円=3,700,000円
ということになります。1点目と3点目のコストはイニシャルコストであるのに対して、2点目のコストはランニングコストになります。
それぞれの金額を高いとみるか、安いとみるかですが、毎日アポを取って、週1ペースで成約させるような“凄腕営業マン”を手に入れると考えれば、案外“安い買い物”なのかもしれません。